本当の主人公はあの人でした… |
2002年9月29日。この頃、作者雪桐せいらは毎日が平凡でつまらなく感じており、「暇つぶしにゲームでも作ろう」と思い立ちました。
前からもう一度コマンドエンブレムUのような、自由度の高いゲームを作りたいと思っていたので、完全に自分の趣味に走った内容にしようと。
ゲームタイトルを考えるのが非常に苦手な私は、昔、小説を書いていた頃に多用していた「エアリアル・アーク」という題名を利用することにしました。
そして考え出されたタイトルは、「エアリアル・アークFR−テオドル王伝記−」。
「FR」とは、「ファイナルラウンド」という意味です。長年続けてきた「エアリアル・アーク」シリーズが終わる、ということでつけました。それより問題なのが、この「テオドル王伝記」というサブタイトルの方です。
このときの企画用ノートには、「主人公『テオドル』となり、国の周囲から混乱の種をとり除く自由度の高いRPG。城・城下町にいるキャラクターは基本的に全員仲間にできる。」と書いてあります。
最初の主人公は、現在はほら吹き勇者と成り下がったテオドルだったんです。 |
ゲーム内容 |
同じく9月29日の記録には、ゲーム内容のおおまかな計画が立てられています。
・キャンプでメンバーの入れ替えが可能。
・城に戻ると、メンバーの再編成が可能。
・魔法は戦闘終了後、ランダムで習得。
・後半のシナリオになる前に、テオドルがメンバーに入れていた仲間は後半では仲間にすることができない。(←意味不明)
・ラストダンジョンは、テオドルと後半の主人公の2手にわかれて攻略する。
…というのが、当初の計画だったようです。
そして、このゲームの最大のコンセプトは、「城のメイドも城下町の婆さんも戦う、脇役なしのRPG」でした。
一般のRPGで見受けられる、「ただの町人」キャラを作らないのがこのゲームの最大のこだわりだったのです…。 |
キャラ誕生 |
さて、内容が決まったらさっそくキャラクターを作りましょう。
この時点で考えたメインキャラクターはこんなもの。
・テオドル(主人公なんだから当たり前)
・シャフト(実は彼はメインキャラクターでした)
・ソフィーヌ(この頃はアルビエラ王国の王女でした)
・リネッタ(「後半の主人公」の1人)
・ムーア(同じく、「後半の主人公」の1人。現在の主人公6人の中では、名前・顔・性格・職業がこの頃から変わっていない、最も古いキャラクター)
・ディーノ(今と同じくムーアの双子の弟)
・グイン(「後半の主人公」の1人。性格はもっと真面目でした)
・サテライト(メインシステムを担う超重要キャラとして)
・マスカレイゼ(サテライト同様、メインキャラ)
このほか、商人の皆さんや、騎士団員の若者達、魔物系キャラなどを作りましたが、この辺はメインキャラではなかったのでこんな感じ。 |
「テオドル王伝記」制作 |
キャラクターもほぼ出来上がったので、次の作業に移ります。
まずは、顔グラフィック作り〜。
大量生産なので、ちょっち雑(汗)。でも、解像度下げて顔グラにしちゃえばバレないっしょ!(そうか?)
実はこの頃、ムーア&ディーノはテオドルの息子という設定だったで、この3人の顔は同じにしてみる。
わざわざ顔をコピーまでしてきたよ(笑)。うむ、親子っぽくそっくり。双子はもっとそっくりだ。
しかしサテライトの顔が気に入らん。機会があったら描き直すべ…。
次に、習得する技や魔法をキャラクターごとに決めていきます。
何を隠そう、この作業が一番大変でした。
この頃はキャラクターは50人だったんですけど、習得する技・魔法の組み合わせが全く同じキャラクターを作らないようにすること、それから基本的な技(クロストラストとか)は全部4人ずつが習得するようにすることという2点にこだわったため、とにかく大変でした。
なんでこんな下らないとこにこだわるんだろうね…;
でも本人にとっては下らなくないので、しょうがないのよ。
あとは、キャラの初期パラメータとレベルアップ時の成長率を決めてみる。
ランダムレベルアップとか、技習得の処理を組むのはそれなりに苦労しましたけど。単純繰り返し作業はツクールにおいて必要不可欠。がんばりましたよ、ええほんと。
大嫌いなマップ作りも全部終わって、主なシステムも殆ど作ったし、あとはイベントっすね! と、張り切ってみたものの…。 |
テオドル王ボツ伝記 |
とりあえず、「テオドル王伝記」のころのスクショを公開〜。
実際「ファーレシア英雄列伝」に登場していないキャラチップは、REFMAPさんからお借りしたものを使用&加工させていただいてます。
 |
これは主人公のテオドルです。
今と全く顔が違いますが、その理由はのちほど(笑)。
顔立ち、ムーアとディーノにそっくり…かな?
で、このテオドルは、なんと「喋らない主人公」だったのです! ドラクエとか、ヘラクレスの栄光とかの主人公みたいな。
だから、セリフが出るのは選択肢のみ。
テオドルは序盤の主人公ですが、のちにリネッタ・ムーア・グインのうち誰か1人が後半の主人公になる予定でした。
|
 |
これは幼い頃のイズガルド。
この「テオドル王伝記」は年代が流れるゲームにしようと思っていたので、イズガルドも登場時はまだ子供だったのです。
「ファーレシア英雄列伝」にはグインとベロニカの幼少期が出てきますが、あの顔も同じ理由で描かれたもの。
ただ、イズガルドは幼少期を登場させようがなかったので、結局この顔グラは世に出ずに終わりました。
あと、年をとったシャフトの顔なんてのもあるんですが、ちょっとショック大きいかと思うので公開しません(笑)。 |
このように、序盤のイベントを作ってみました。しかし…
つまらない…
イベントを作っていても、本当に苦痛でしかなくって。面白くなくって。やる気がしなくって。
一番の原因は、主人公テオドルに愛着が湧かないことだと思います。
やっぱ、主人公は喋らなきゃ駄目なんだねアレクサンドル…(誰)。
というわけで、「テオドル王伝記」はマップと主なシステムだけ作って挫折しました。
それは、制作開始から1ヶ月半経った、11月18日のことでした…。 |