ファーレシア英雄列伝、誕生 |
公開するにあたって、タイトル考え直さないとな〜って思いました。
「エアリアル・アーク」って、今まで小説で書いてきたシリーズだし、そういうとこ説明するの面倒だから。
コマンドエンブレムUも、どうせ前作なんか世に出ないんだから、最初から「U」ってつけなきゃ良かったって思いますもん…(元も子もないことを)。
だから、新しいタイトルを考えねばなりません。でも、私はタイトル決めるの、すっごい苦手なんですよね〜…。
最初は、サブタイトルの「アルビエラ王国の繁栄」にしようと思いました。
でも…。
アルビエラ王国、繁栄してない。
だってチェイニー編とアマンダ編はアルビエラ王国なんか関係ないし、グイン編とオスカル編では繁栄どころか崩壊してるし…。
「アルビエラ王国の繁栄」って、ムーア編のエンディングのディーノのセリフに出てくるだけなんですよね。実は;
やはりこれじゃ合ってないので、考え直すことに。
このゲームを通して言いたいことって、やはり「この世の中に脇役などいない」っていうことなんです。
主人公ごとに話の内容が違うから、辻褄合わせるにはこのテーマをタイトルにもってこないと。
で、考えました。
「英雄」っていうのは、別に主人公のことではありません。ゲームに登場する、全てのキャラクターのことをさしています。
自分を勇者だと言い張るテオドルも英雄だし、娘の帰りを待ちつつ毎日を過ごすグリゼルだって英雄なんです。こじつけだけど(笑)。
あとは、「列伝」の部分ですけれど。これを決めるのに、かなり時間割きました;
はじめは「英雄伝記」ってな感じにしようかと思ったんですが(前のタイトルが「テオドル王伝記」だったので)
「伝記」っていうのは、ある個人の記録のことなんですよね〜…。
だから、このゲームのタイトルとしてはふさわしくないんです。このゲームは個人の話ではないので。
では、「列伝」はどうかな?と思って、ちゃんと辞典で意味を調べてみました。何か間違っていたら嫌なので(笑)。意味は、「多くの人々の個々の伝記を書き連ねたもの」。
まさにこれだッッ!!!!
「ファーレシア英雄列伝」とは、「ファーレシア地方の英雄達の個々の伝記を書き連ねたもの」という意味なのです。
ムリありすぎ(オイ)。
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キャラクターを変えてみる |
「アルビエラ王国の繁栄」から、いろいろ手直しをして出来上がった「ファーレシア英雄列伝」。
その手直しの中には、キャラクターも含まれていました。
そう、手直しする中で設定や性格が変わってしまったキャラクターもいるのです…。
*顔も性格も変わってしまった人 編*
●テオドル
このゲームを作り始めた頃、「テオドル王伝記」の主人公として作ったテオドル。
せっかく顔グラフィックを描いたので、髪の毛と瞳の色を変えてサブキャラとして蘇生。
テオドルは右の写真のような堅苦しい性格でした。没個性的で、あまり気に入っていないキャラクターでした(オイ)。
なので、思い切って性格を180度変えてしまうことに。右の写真の顔グラはムーア・ディーノの血縁キャラとして描いたため、小春に「そっくりすぎて怖い」と言われてたので(笑)、顔も描き直し、1時間半くらいで別人に; |
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●ニルス
このキャラクターもかなり変えました。「アルビエラ王国の繁栄」の頃はスカした感じの性格で、はっきり言ってチェイニーとかぶってました。
なので顔も性格もがらりと変えて復活。思い入れのあるキャラだったので、抵抗ありました;
*顔が変わってしまった人 編*
ゲームを作り出した当時に描いた古い顔グラ(ちなみに一番古いのはシャフト)は公開よりも一年くらい前に描いたものです。
なので、ここまでに顔グラを直したくなったキャラも結構いて。ちょぼちょぼと描き直してます;
没キャラクターも含めると、今回は全部でいくつの顔グラフィックを描いたんだろう…。70とか80とかそのくらいいきますね。
ちなみに一年前に描いて気に入らないと言っていたサテライトの顔グラは、何度も描き直したのですが、結局気に入ったものができなかったので最初のまんまです。
*設定が変わってしまった人 編*
●チェイニー
チェイニーのメインシナリオに出てくる彼の過去のエピソードは、公開直前に土壇場でつけました;
チェイニーだけ妙にストーリーが薄いと思って。
家族構成は元から決まっていたのですが(チェイニーにキャンプで話しかけると明らかになりますし)、まさかあんな家族だったなんて知りませんでした(笑)。
●アイオリア
実は主人オスカルと同じ神を信じていたアイオリア。これも公開直前で土壇場で設定を変えられました。小春に不自然だと言われたので(笑)。
本当は両親がアイオリアを残して自殺をしたっていう設定だったんですよ。
●トルテ
このキャラクターは、「ファーレシア英雄列伝」にタイトルを変えたときに設定ががらりと変わりました。
「アルビエラ王国の繁栄」の頃は、アルビエラ城下町のどこかに隠れ住んでいて、オスカル編でしか出てこない、かつオスカルに片想いしているなんていうキャラクターでした。
ところが、小春とこのゲームの内容を話しているうちに、おかしいことに気が付いて。
このゲーム、片想い中のキャラクターが多すぎ。
というよりも、カップルが少なすぎ。まとまっているのが夫婦一組という、町としては異常な状態。この国はいつか滅びるんじゃなかろうか…。
小春にこの点を指摘され、設定を変えられました。これはおかしい、どうにかしよう。そうだ、アイオリアとトルテを恋人同士とかにしてしまえ。と、作者が口を挟む余地もなく変更することに。
あまり目立たない2人がさりげなくラブラブなのがいいかなぁということになりまして。
よって、オスカルはかわいそうなことに奥さん候補を1人逃してしまいました。
下の写真は、アイオリアとトルテが無関係で、アイオリアがケルサ神の信者だったころの、アイオリアとトルテの会話。めちゃめちゃ他人行儀です。
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地形の変更 |
「ファーレシア英雄列伝」の公開は2003年の9月に予定していました。
でも、テストがいつまで経っても終わらない。
バグもいろいろ発見されているのですが、それ以上に作者がこのゲームについて、いろいろ気に入らないところがあったんです。
中でも大きかったのは、ゲーム中の地形が気に入らないということでした。
フィールドは、「アルビエラ王国の繁栄」の頃は敵がいなかったのですが、綺麗な戦闘背景を使いたくて(笑)フィールドにも敵を配置したいと思ってしまったのです。
それには、フィールドが狭すぎる…。これでは、すぐに敵とぶつかってしまいます。
なので、公開直前にも関わらず、フィールドを大きくすることにしました。
ああー何やってんでしょ私…フィールド変えちゃったら、場所移動のイベントも全部やり直しじゃん…。
しかし、このゲームは、少しでも気になったら何でも作り変えられてきました。
アンドレのランチシステムも、最初は注文数を選べなかったのですが、1つ1つ注文するのは面倒かもと思って、血ヘド吐きながら(大嘘)注文数を選べるシステムを作りました。
そう、一度気になったら、直さずにはいられないのです。
そして、次の日にはそれ以上に大変なことを思いつきました。
アルビエラ城下町が狭い。
アルビエラ城下町は、元は3〜4つのマップで構成されていました。1つ1つのマップが、とても小さかったのです。
最初はこれでも良かったのですが、ダッシュシステムを搭載したために、移動しにくくなりました。
主人公がばたばた走ると、すぐに障害物にぶつかる。ダッシュしていると、すごくストレスがたまるんです。
これではいかん…!
小春が止めるのも聞かずに、私はアルビエラ城下町のマップを作り変えました。
以前の町の外観にとても愛着があったので(なにしろ一年近くそのマップだったので)、結構抵抗がありました。でも、やはり気に入らないところは放っておけなくて。
町のマップを作り変えてしまいました。
もう、本当に自分が何をしているのかよく分かりません。ただ、納得のいかない形で公開したくなかったというだけです。完成した作品が完全な状態だと言うわけではなくて、自分がどうしても気に入らなかった点は、直さないといけないと思ったんです。
出来上がった新・アルビエラ城下町は、なんかちょっと広くしすぎました。
でも、仕方がないんですよ。狭いという理由で作り変えたんだから、今度も狭くちゃ意味ないし。町の外観を作るのって苦手だから、作り直したくないし;(←手遅れだから)
これのおかげで町の中の場所移動も全部やり直しだし、めちゃめちゃ大変です。
けれども、「きっとガボリオみたいな頑固オヤジは町の改造に反対とかして、王の命令で町の改造を進めているオスカルと衝突するんだろーなー」とか考えながら作業を進めました。
あと、ダンジョンが少ないかな?と思って玄武の間・青龍の祠・白虎の峰・朱雀の穴・バンデラ雪原を追加! 山のマップ作るのすごく苦手なので、白虎の峰は小春に作ってもらいました;;
これらの変更は全て一週間で行ったので、一週間前と比較して変貌しすぎなほど変貌しました。「ファーレシア英雄列伝」。 |
この世の中に、「脇役」などいない? |
自由度が高いので、テストプレイはそれなりに大変でした。私と小春の2人でひたすらテストしまくって。合計で100回くらいはテストしたんじゃないかと思います;; もうセリフなんか暗記しちゃいました。
テストプレイヤーを募集しようかとも思ったのですが、このゲームを強制的に人にやらせる勇気がなかったので、やめました(爆)。
だって、ツクールで作った戦闘中心のゲームって、挑戦しすぎ(笑)。
自信がないということで公開は躊躇していたこのゲームですが、手直しを始める前よりも、ずっとプレイヤーには親切になったと思います。一度完成した状態の物が、本当に酷い出来でしたからね。
このゲーム。純粋な面白さは別として、なんか…すごいゲームだと自分では思ってます(爆)。いろいろな意味で。
今までにいくつかゲームは作ってきましたが、ここまで時間をかけたのも、試行錯誤したのも、この作品の他にはありません。
このゲームは主人公が6人いますが、2度3度、やってみようと思う人だけやってくれればいいのです。楽しめる人だけが楽しめばいいのです。ゲームを楽しめるのも、ある意味才能だと思うのです。そんな投げやりな内容に仕上がりました(おい)。
で、この「ファーレシア英雄列伝」の最大のテーマになっている「この世の中に、脇役などいない」でありますが。
これは達成できているのでしょうか?
一応、当初の予定だった、「ただの町人キャラ」を作らないというのは達成していますけど。イベント中でNPCもいるからなー…;
こんなゲームを作った私が悟った(笑)ことを言っておきますと…
この世の中に、「脇役」などいない。だが、ゲームに脇役は必要だ。
…以上ですッ…! |